Berdysh, Bardiche
バルディッシュとは長い刃を持つ斧で、ハルバードやグレイヴなどと同じ長柄武器のひとつです。 ときには、クレセント・アックスという名前で登場することもあるようです。 日本でいえば、長刀に近い印象を受けます。
全長150cm前後〜200cm超。柄は木製または金属製でやや太めに作られており、そこへ緩やかに湾曲した60~80cmもの斧刃が取り付けられています。 特徴のひとつとして、刃は2箇所のソケット式、または貫通式で留められています。つまり、それだけ頑丈な構造を持っているというわけです。
バルディッシュの使い方としては、他の斧型武器と同じく、力任せに振り回し、そして叩きつけるものです。 それをまともに喰らえば、へたな鎧の防御力では防ぐことはできません。 また、斧刃の先端は尖っていることが多いので、刺突攻撃も可能です。
しかし、バツグンの攻撃力を誇る反面、斧という形状であることで防御面には不安が残ります。 柄が木製のものであればなおさらです。 もっとも、初撃さえ当ててしまえば、おそらく反撃はないとは思いますが。
魔法のバルディッシュについて。 長柄武器全体に言えることですが、こうした武器は冒険者にとってはあまりポピュラーな武器でないためか、魔法の加護を受けたバルディッシュというものは見られないようです。
斧としての特性が強いバルディッシュですが、主な使い手は意外なことにドワーフ族ではありません。人間たちです。 いくつか理由はありますが、汎用性が高いという点が受けたのだと思います。
戦斧としてだけではなく、柄の長いものはパイクやハルバードのように扱えますし、柄の短めにしたものは騎兵が好んで用います。 バルディッシュはそれほど複雑な武器ではないため、騎兵との相性は良いのかも知れません。 馬上から振り下ろされる一撃に敵兵は怯むはずです。
ひょっとするとケントウリ族の戦士が扱うのに向いているかもしれません。 馬を操る手間がない分、人間の騎兵よりも上手く振り回してくれそうです。 まあ、野蛮な匂いのする武器ですから、彼らは嫌がる知れませんが。
16〜18世紀頃、東ヨーロッパで用いられていました。 歩兵の武器として、騎兵の武器として、また、銃の登場からは槍兵にも応用されるなど幅広く使われていたようです。 祭儀用のものなども含めて考えてみると、ちょうど西欧のハルバードのような扱いといえるでしょう。