Berserker, berserkr
バーサーカーとは、狂戦士、何らかの理由によって理性を失い、破壊衝動のまま手当たり次第に殺戮を行う状態となった者を指す言葉です。 その原因は様々ですが、一般的にはだいたい二つのパターンです。
まず精霊によるもの。 これは怒りや憎しみを司る精霊が暴走してしまい、半ば肉体を乗っ取られてしまうようなものです。 過去のトラウマなどが関わって、何らかのきっかけをスイッチとして突発的に起こることもあります。 似たようなものとしては、悪魔や邪神が肉体に降臨して狂戦士化してしまう場合などです。
もうひとつは、他者からの呪文や魔法によるものです。 憎悪の感情を増幅させるような魔法や、そういった呪いを込められた物を身につけたことを原因とします。 すさまじい破壊力を秘めるもののこれを手にした者は味方さえも攻撃の対象にしてしまう剣、といったところがよくある話ですが、似たような伝承をご存じの方も多いでしょう。
これらはいわば災難の類ですが、なかには自ら望んで狂戦士化する者もいます。 それは、より強い力や、戦いに勝つ術を欲してのことです。 戦いに赴く前、祈祷師によって戦士たちに狂戦士の呪い（まじない）を施す風習を持った地域もあります。 （呪いよりも、興奮作用や高揚感を伴う薬草などに頼る場合もあります）
どのような形であれ、狂戦士と呼ばれる者には共通する点があります。 それは、通常の何倍もの力を発揮するということと、苦痛や疲労感、眠気などが消えてしまうこと、それに、敵や味方の区別さえもなくなってしまうということです。
バーサーカーは、行動不能なまでに肉体を破壊されてしまうか、目に留まるすべての者を手にかけたとき、はじめてその役割を終えます。 多くの場合、正気に戻ることなくそのまま息絶えてしまうでしょう。
バーサーカーのことをベルセルクともいいますが、これはは本来、熊の毛皮をかぶって戦場へ赴いた戦士を指します。 これは熊のような姿をとることで、、熊の獰猛な強さを得ようとする、一種の暗示や呪術です。