ブロウガン

Blowgun

吹けば飛び出す毒の針

概要

 ブロウガンとは、呼吸の力で矢や針を発射する射程武器のひとつです。吹き矢筒とも。

 

形状と用法

 筒の直径はだいたい2~3cmで、長さは100cm前後ですがもっと短い物、長いものもよく見かけます。素材は、堅い木をくりぬいて作られています。

 発射される飛翔体は、風受けにコットンや木の皮、動物の皮などが使われており、これに金属製や木製の針が取り付けられているという構造です。

 使い方は、吹き矢を装填した筒の一方に口をあてがって、吹き込んだ息の圧力によって発射させるというものです。射程距離は10mほどですが、筒の長さと使用者の能力次第ではさらに遠くの標的にも命中させることができるでしょう。

形状と用法

 ブロウガンが登場するのは、暗殺者の武器としてというのが多いようです。冒険者たちの武器としてもなじみはありませんし、正規の軍隊に取り入れられる様子もありません。

 ここで用いられるのは短めに作られたもので、潜んだ物陰から無防備な標的を狙い撃つといったところでしょう。

 数人がかりでの襲撃の際、他の者が肉薄して気を引いて出来た隙を狙う場合にも活躍しています。

 本来、ブロウガンの持つ威力は小さいものです。革鎧どころか布鎧程度の防御力であっても殺傷力を削がれてしまいます。致命傷を与えられるのはせいぜい、小動物くらいでしょう。そのため、より大きな標的に対して用いる場合には、様々な毒や薬品が用いられます。とはいえ、針は小さく、致死量となるほどの量は期待できないためか、遅効性や麻痺性の毒が頻繁に登場します。

 ブロウガンは使用する際にもほとんど音を出さないという点から、身を守る側からすると非常に厄介な武器です。命を狙われる覚えのある者は、注意しておいた方が良いでしょう。

狩猟場にて

 現実世界では、ブロウガンの使い手としては、熱帯雨林帯の先住民族やアメリカ先住民族たちが挙げられるかと思います。矢毒として南米の先住民族が狩猟に用いていたクラーレは有名です。

思いのたけを吹き込んで

 このように、ブロウガンというのは毒というものと切り離せない関係にあるようです。そのため、陰惨な武器としてのイメージがあるかもしれません。

 しかし、現代ではスポーツ競技としての吹き矢もありますし、江戸時代では射的のような娯楽としても使われていたようです。ファンタジー世界においても、たとえば祭りの日などで吹き矢を使った屋台が出ているかもしれません。うまく的を狙って…さて、どんな景品がもらえるのでしょうか。

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