Claymore
クレイモアーは両手剣の一種です。 ツーハンド・ソードの代表格とも言える剣ですが、他の両手剣とは少し扱い方が違っています。
その違いは、クレイモアーの刃は薄く、比較的軽く造られていて、そのため多くは「切り裂く剣」として用いられる点です。 一般的なツーハンド・ソードが重量と勢いを使って「叩き斬る」ようにして使うことを考えると、ずいぶんスマートな剣と言えます。
大きさは様々で他の両手剣よりも小振りに造られているものもあれば、極端に大きく長い剣としても登場します。
切り裂ける相手と戦うのに適した、つまり金属甲冑を着込まない地域などでとくに活躍する剣といえますが、まがりなりにも大剣である以上、少々の鎧ならば打ち切る威力は備えています。
現実世界で活躍したクレイモアーにはとくに決まった大きさなどはありませんでした。 ですが、全長120cm~200cmほどで、身の幅はやや広く3~4cmといったサイズに収まるようです。
刃の方向に向かって斜めに傾斜した鍔と、その先についた三つの輪のような飾りが共通する特徴として挙げられるくらいでしょうか。 ファンタジー世界ではこれらの特徴さえも気にせずに、薄刃の両手剣という存在として登場することが多いようです。
クレイモアーは、スコットランドのハイランダーが用いたことで知られる剣です。 時代としては、16世紀以降、戦場においてすでに鎧は重要視されなくなっていました。
ハイランダーたちの戦いぶりはすさまじく、マスケット銃を持った敵部隊に対して剣による攻撃で渡り合ったとして有名です。 これは、射程内ギリギリで発砲し、相手に応戦させ、次弾発砲までの間に、抜刀して斬りかかるというもので、銃剣の登場まで絶大な効果をもっていました。
やがてはイングランド軍に敗れ去るわけですが、その勇名はクレイモアーとともに語り継がれているわけです。