Cutlass
カットラスは、全長50~60cmほどの短い刀剣で、船乗りたちに好まれる武器のひとつです。 身の幅5~7cmと割と幅広く作られています。 ときにはさらに極端に広い刃を持ったカトラスも登場することもあるようです。
ゆるく湾曲した片刃で、剣身の五分の一ほどの先端は棟(峰)の側にも刃が付けられています。 この部分だけが両刃となっているわけです。
カットラスは主に断ち切りに使われますが、これは敵と戦う場合だけではなくて、船上でロープを切ったり、敵船から投げられた網や綱などを切り落とすためなど頻繁に活躍しています。 しかし、いざ戦いともなれば、鋭い刃先の形状を使っての刺突戦法にも用いることができます。
取りまわしに優れた短い剣身と、両刃になった刃先。 混み合った船の上での戦いにおいて、これらは非常に便利な剣といえます。 また、幅の広い剣身は、激しい打ち込みにも耐えることができ、実に頼りがいのある武器のひとつです。
この無骨で頑丈で汎用性に優れたカットラスは、海の男たちによく似合います。 実際、登場するのは船上、海上で活躍する戦士達の手の中である場合が多くなるでしょう。
ここではカットラスは刀剣として分類しました。 しかし、陸上での冒険者や傭兵たちが必ず一本は短剣(ダガーなど)を持ち歩いていたのと同様、カットラスもまた船乗りたちにとっての大切な道具でした。 彼らは愛用のカットラスをいつも身につけています。
しかし、これほど有用な剣にもかかわらず、魔法のカットラスはほとんど見ることができません。
自然の猛威の中で暮らしている者にとっては、たった一本の剣に込められた魔法などひどく小さな存在にしか映らないのでしょう。 たんに魔法の力を必要とする機会がないのかも知れませんが。