Element
元素とは物質を構成する要素を指しますが、科学のないファンタジー世界では魔道・魔術によって説明されています。 四大元素と呼ばれて登場することが多いようです。 これは『万物は、火・水・風・土の四つの元素によって成り立っている』というのが基本的な考え方です。 地域や魔道の系統によっては、この基本元素の数は5であったり、12であったりもします。
この四大元素の正体はといえば、それは元素精霊と呼ばれる存在です。 火のサラマンダー、水のウンディーネ、風のシルフ、土のノームです。 あらゆる物質は、彼ら精霊の力が様々なバランスで宿っていると伝えられています。 このあたりが現実世界とは世界の成り立ちの違う点のひとつと言えるでしょう。
長い時間をかけて多くの魔術師や錬金術師たちによって、この元素の仕組みについてや、扱い方が研究されてきました。
これはよく使われるたとえですが、現実世界での発火は「可燃物があって酸素があって発火点以上の温度があって」起こる現象ですが、ファンタジーの世界では「火の精霊サラマンダーの活動」によって起こります。 つまり、炎を操るためには、「火の精霊をいかにうまく呼び出すか」「火の精霊といかにうまく心を通わせるか」ということをを学ぶ必要があるわけです。 それがファンタジー世界での「魔術」が、超常的な奇跡としてだけでなく、ときには小難しい学問としても扱われる理由です。
さて。 元素の考え方には二通りがあって、ひとつがこの元素精霊というような人格的というか、何かしらの生命や意志を感じさせる存在です。 もうひとつがマナや魔力というような力に代表される、非人格的というか、無機的なイメージを伴う存在です。 これは『純然たる根源』というような呼ばれ方をすることもあります。 どちらが上とか強力ということではなく、同時に、しかし両者は違う考え方として物質に宿っているようです。
宿っている、というのも曖昧な言い方ですが、これは人間の魂や自我というようなものと似たような感覚で捉えれば良いと考えられています。
現代の現実世界では、元素といえば元素周期表を見るまでもなく、四つどころか試験にでるくらいの数が確認されています。 この世の物質は火と水と風と土でできている、といってもピンとこないかもしれません。 ですが、この考え方は場合によってはそれほど間違ってはいないようです。
すなわち、火とはエネルギーであり、水とは液体であり、風とは気体であり、土とは固体という感じです。 こう考えてみれば、この科学世界でも四大元素のニュアンスは生きていると思えてくるでしょう。