Kukri
ククリとは、片刃の湾曲した短い刀剣です。 全長は40~50cmほどで、片手用の短い柄が備えられています。
刀身は全体として前方に、つまり刃のついてる方向へ緩やかに湾曲しています。 身幅は根本がくびれたように細く、刃先の方へ向かって広くなる形状です。 細い部分でだいたい4cm前後、広い部分で6~8cmほどですが、もっと大型のものもあります。 まっすぐな剣と違い、鞘とセットで作られることが多く、統一のとれた装飾が施されていことが多いようです。
この形状のおかげで、刃の重みが自然と刃先に集まるようになっており、少ない力で大きな斬撃力を生み出してくれます。
地域や用途などによって大きさや細かな形状の違いこそありますが、共通しているのはその湾曲具合と、刃の根元にある二つの切りかきです。 この切りかきはアルフェベットのWというか、ギリシア語のωの字形です。 (切り刃の方向を上にした場合です) これは呪術的な意味合いもありますが、ククリには目立った鍔がないため、相手の剣を受け止めたとき、この切りかきによって握り手が守られています。
とはいえ、ククリは戦闘用というよりも、日常の道具として活用されています。 密林などに分け入るときに、草木をなぎ払うのに便利なようにできているようです。
もちろん武器としての性能も高く、多くのファンタジー作品に登場しています。 (グルカ・ナイフの名で聞いたことのある方もおられるでしょう。) しかし、ほとんどが初級の武器としての扱いのため、魔力の込められたククリは滅多にないようです。
ククリをよく扱うのは、レンジャーや山賊、狩人といった者たちなどでしょう。
刃が前方へ湾曲している刀剣は他にも多数ありますが、このククリもそのひとつです。 効率よく刃先に力を伝えるという点において優れているので、小さい動作で大きな斬撃を生み出します。 多少の鎧ならば引き裂くように斬りつけられるようでしょう。 また、重量のバランスが良いので、投擲することも可能で、こちらも十分な威力を備えています。