魔界

Abyss, Demon Field

ようこそ、深淵の世界へ

 魔界とは、悪魔や魔神、魔人と呼ばれる、人間とは姿形の違う種族が住むとされる異世界のひとつとされる場所です。現界、物質界、人間界などと呼ばれるこちらの世界とは、時間の流れや魔力の在り方、生命体の種類や性質などが大きく違っていると言われています。

 魔界について分かっていることは決して多くありません。住人たちがどのような文明を築き、どのような社会を発達させているのか。その世界の構造や、広さ、深さなどは詳しく伝わってはいませんし、調査を行った者もいないようです。

 これは魔界を統べる神(神々)が、他の神々と疎遠なためか、あるいはよほど遠い次元に存在するのか、とにかく簡単に行き来できる場所ではないからです。

 一応、魔界への扉を開ける方法は、古代より魔術師たちの術のひとつとして伝えられてはいます。しかし、基本的には魔界の住人を単数または少数規模で呼び出すためだけに使われるため、こちらから訪ねていくなどといった使い方はされていないのが実情です。物質的な肉体への依存度が高い人間が通るには、開くゲートが小さすぎるという指摘もあるようです。大きな出入り口を作る術も存在しているようですが、禁術として扱われている場合が多く、また複雑な魔法となるために使いこなせる者は限られるでしょう。

 普段は遠い地である魔界ですが、ときには強大な脅威としてこちらの世界と関わってきます。長い歴史の中ではたびたび魔界につながる扉が開き、異形の来訪者が殺到する事件が起きているようです。彼らの目的が物質界の支配なのか、あらたなエサ場の確保なのかは分かりませんが、人間と妖精の軍団との長く激しい戦いとなることは避けられません。

 魔界への扉が開く原因は人為的なものと、偶然に自然発生する場合の二つがありますが、どちらにせよあまり長期的にかつ大きく開くことは少ないようです。そのため、強大な魔界の軍団とはいえ、その初撃さえ乗り切ってしまえば、人類の側にも勝利の希望は見えてくるかも知れません。しかし、上級の部類に属する悪魔/魔人たちのなかには新たな扉を開く力を持つ者や、人間の王などよりも強い統率力を備えた者もいます。彼らが居城を築き、インフラを整えてしまったとしたら、こちらの世界に第二の魔界が広がりかねない事態となるでしょう。

 ところで、逆に人間達が魔界へ乗り込んで侵略を始める、というような事例は見られません。せいぜいが、うっかり迷い込んでしまった哀れな魔術師の物語が言い伝えられる程度です。魔界というのは、人間やエルフ、ドワーフたちにはよっぽど住み心地の悪い土地なのでしょうか。

 魔界は完全な弱肉強食の世界であり、より強いものがより高い位を得るとされています。そのため、下克上などは日常であり、いたるところで争いが起きているようです。

 絶対的な支配者である王や、勢力や実力の拮抗した数人の実力者など、一応の統一はなされているとも言われていますが、一見平和的に暮らしているように見えても、腹の底では反目し合い、より高い地位を手にいれようと画策していることでしょう。

種別
地域情報
種類
異界
関連キーワード
冥界/天界

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