迷宮とは、迷路のように複雑に入り組んだ構造と様々な仕掛けや罠が張り巡らされた建造物です。 その目的は大きく分けて二つです。ひとつは、侵入者を阻むための迷宮。もうひとつは脱出を阻むための迷宮です。
前者のタイプは、宝物を保管しておくためのものであったり、何かと敵の多い人物の住まいであったりします。 後者は、捕らえた者を外へ逃がさないために作られています。一種の牢獄といえます。
迷宮の多くは地下に作られており、床や壁、天井などは頑丈な石組みである場合がほとんどのようです。 また、特別な明かり取りなどがなければ、探索者自身で照明を用意する必要があります。
各所に配置されたモンスター、命がけの謎かけ、想像を絶する罠の数々… 目的にたどりつくまではいくつもの苦難が待ちかまえています。 できうる限りの準備と、持てる限りの知力体力を用いて挑むことになるでしょう。
脱出の場合は、装備も不十分な場合が多く、知恵と機転がものをいいます。 ただ、どちらにせよ迷宮は冒険の核ともなりうる最大の舞台でもあります。
そのためか、いつしか迷宮探索は娯楽としても賑わうようになりました。 大きな都ではときどき、スポーツとしての迷宮探索大会などが開かれることがあります。 突破した者には多大な栄誉や賞金が与えられます。 そのため、各地から腕に覚えのある冒険者たちが、大会を盛り上げるようです。
しかし、それが命がけの冒険であることには変わりません。 ときには引き返す勇気も必要となるでしょう。 (しかし多くの場合、物語の進行上、いつかは突破することになるのでしょうが…)