港とは、船舶が安全に停泊できて、荷物や人間の出入りのために整備された場所です。
海ならば波の静かな湾内に、河川や湖にも作られます。
輸送手段として船はとても重要です。
多くのファンタジー世界では、品物や人間を一度に多く遠く運ぶための手段が他にないからです。
そのため港は、交通と輸送の中心を担っていて、主要な港の近くには大都市が発達しています。
港にはまず、船を係留し、人の乗り降りや荷物の上げ下ろしのための桟橋があります。
船を波から守る防波堤もあるでしょう。
それから周囲にはいくつかの施設があります。
漁港ならば係留施設の他にも、水揚げされた水産物を仕分けしたり、生きたまま保管する場所や、
加工する施設もあります。
そのほかのいろいろな用途に使える土地もあって、船や網の修理や浜焼きパーティーに使われます。
商船や客船が出入りする交易港ならば、商品などを一時的に保管する倉庫があります。
交易所、税関や出入国に関する施設、衛兵の詰め所、それから船客のための待合場もあります。
水夫や波止場の人足、交易商人たちはもちろん、船渠(ドック)に行けば船大工たち、 さらに衛兵や役人などで、港は実に様々な人間であふれかえっています。
湖や河川に造られた港もだいたい似たようなもので、交通・運輸の要であることにも変わりません。
ところで、港を有する種族は人間以外にはほとんどいません。
もしかしたら、船や港の建造は、人間種族特有の習性なのかもしれません。
しかし、巨人族は太古の昔に海で戦をしたこともあったでしょうし、
エルフやゴブリンたちも決して泳げないわけでもありません。
水辺近くに集落をもっているのなら、港のひとつやふたつは有しているでしょう。
ドワーフたちはその体型からか泳ぎを苦手とするものも多く、 船に対して顔色をよくすることはないでしょう……。