呪いとは、相手に災いが訪れるように祈ることです。
魔法としての呪いでは、邪神に仕える者や、悪しき魔法を修得した者が好んで用います。
美しい王子やお姫様を醜いカエルへと変えてしまったり、百年の眠りにつかせたりといった使い方で有名です。
呪いの祈りによって引き起こされるものには、大きく三つあります。
ひとつは、「何かをするな」という行動を制約する呪い。ふたつめは、「これをしろ」という行動を強制する呪い。
そしてみっつめは、それら以外のすべてです。
たとえば前述したように、対象となる人物を強制的に変身させてしまうなどです。
ほかにも、触れた物すべてが黄金に変わってしまう、口をつけた水がすべて酒に変わってしまう、
自分が並んだレジはいつも遅い、好きなアニメは最終話に限って見逃してしまう、などといったものです。
呪いは、術者が払った代償が大きければ大きいほど、その効果も強くあらわれるます。
呪文と魔力だけの呪いよりも、術者の命と引き替えにもたらした呪いのほうがタチの悪いものとなるのです。
とはいえ、どんなに強力な呪いであっても、だいたいにおいてそれを解く鍵はあります。
鍵となるのは、呪われた原因にかかわることがほとんどです。
醜い怪物や動物に姿を変えられた者は、傲慢だったそれまでの態度を改め、その姿のままでも愛されることが呪いを解く鍵となり、 触れたものすべてが黄金に変わってしまう呪いを受けた者は、欲張ったことを謝罪したおかげで助かりました。
他に呪いを解く手段としては、司祭や魔術師に呪いを解く魔法をかけてもらう、というのがあります。 しかし、これはかけられた呪いよりも強い魔法によって解かなければならない、という制約があることも多いようです。
もしも誰かに呪われてしまったら、身に降りかかった不幸だと悲観していないで、 その呪いを解く冒険の旅に出ることをオススメします。
よく聞く話では、幸せな結末が待っているそうですから。
……それ以前に誰かに呪いの言葉を吐かれるような人生は、少し見直した方がいいのかもしれません。