Joke, Joker
冗談を言う人はファンタジー世界にもいます。彼らはみな、物事を軽妙なたとえで言い表そうとしたり、茶化してみたりします。
しかし、残念ながら、それをうまく成功させた者は決して多くありません。 ぎこちない仲間関係や気まずい雰囲気、自分たちの身に降りかかった重圧などを和らげようと試みるのですが、たいていの場合が失敗に終わってしまいます。 すでに事態が深刻すぎて笑えなかったり、場の空気にそぐわなかったりするわけですが、もちろん、ただたんに下手なシャレをうっているだけのこともあります。
また、衛兵や騎士、神官などは生真面目な性格の人物も多く、最初から冗談を解さない、解そうとしない場合もあります。 そういった相手にも果敢に挑戦しますが、やはり、返ってくるのは冷たい視線や重い空気です。
とはいえ、ユーモアセンスの発露は健全な精神の証拠です。受ける受けないは別としても、冗談は、言う者にも聞く者にも重要な精神安定剤の役割を果たしているようです。
冗談や軽口をもたらすのは盗賊系の職業につくものや、普段から性格の軽いと評判の仲間といったところでしょう。 しかしときには、思いがけない人物から思いがけない冗談が飛び出すこともあります。 一行の頭脳役であったり、堅物の目される重鎮であったりです。が、冗談を言ったりするようなタイプでない人物が突然このような行為に走ると、あたりの空気は一瞬にして凍り付くものです。