Spiked club
スパイクド・クラブとは、先端部に放射状にまんべんなく、何本もの金属製の棘を打ち込んだ棍棒です。 削り出しの段階から何本もの棘を出して作られた、全木製のものもあります。 モルゲンステルン（モーニングスター・メイス）の木製版といえそうですが、やはり金属製の棘を使ったものよりも威力が落ちてしまいます。
全長は長くとも80cmくらいまでで、メイスとは違って軽く作られています。 とくに決まった形状はなく、先端がトゲトゲであるというだけで、様々な形のものが存在するようです。
武器としては木や動物の骨を加工しただけのクラブより多少は洗練されてはいますが、それでも原始的な度合いは強いといえます。 使い方としてもクラブと何ら代わりはありません。 しかし、棘による刺し傷や切り傷によって、殴打以外の深手を与えることができます。 相手の防具や布や皮の素材であれば、十分な威力を発揮することができるでしょう。
スパイクド・クラブが登場するのは、まだ資金の不足しがちな駆け出し冒険者の初期装備としてや、囚人の暴動などにかき集められた武器としてがほとんどです。 お金を出してまで手に入れるほどではない、という扱いを受ける場合も多くあります。 地域によってはれっきとした武器としても登場するのですが、騎士や正規軍などからは受け入れられていないようです。
むしろ、妖魔の戦士たちが好んで用いることがあります。 粗末な武器のようにも感じますが、彼らの中には人間をはるかに超えた腕力の持ち主だっているわけですから、そこを見くびって命を落とすことだけは避けたいものです。