タワー・シールドとは、横方向に湾曲した長方形の盾です。 相手から見れば、さながら大きな筒を半分に切ったような形状をしています。(余計わかりにくくなるような言い方ですが) 盾としてもかなり大型で、木製のものが多いのですが、そこへさらに金属版を重ねて補強されています。
全長は100cm前後、幅は60~80cmです。前述したもの以外にも、湾曲した楕円形のものもあるようです。
冒険の場で活躍することは少ないようですが、歩兵が用いるなかで最高の防具として登場することは多いようです。
タワー・シールドを構えて、身をかがめてしまえば、体がほぼ完全に隠れてしまい、絶大な防御効果が得られるのですが、 攻撃に転ずるときはもちろんこの限りではありません。
とはいえ、この盾を構えたまま突進してしまえば、相手もそう簡単に打ち崩せるものではないでしょう。 戦場においては、こうして集団で作り出す盾の壁によって戦車のごとく、敵を攻撃します。
愛用の武器による受けや、着込んだ鎧に自信がなければ、このタワー・シールドにひとつ頼ってみてはどうでしょうか。
タワー・シールドは、スキュトゥム/スクトゥムといって、古代ローマの兵士が用いたものとして有名です。
映画『ロード・オブ・ザ・リング 〜二つの塔〜』では、オーク軍による攻城戦で登場しました。 城門を打ち破るために、突撃部隊がこのタワー・シールドで前後左右、上面までを覆って、じりじりと進んでいました。
この「亀甲隊形」は、雨のように浴びせられる矢をもものともせず、戦場の緊迫感を高めていました。