トライデントとは、長い柄の先に槍状の刃が三つ並んでいる槍です。
全長は100cm~180cm、長くとも2mほどでしょう。フォークのように穂先が並んでいます。 平行に並んでいるものもあれば、両側の刃が外側に広がるようになっているものもあります。 また、刃の長さも三つともがそろっているもの、真ん中が長いもの、逆に両側の方が長いもの、と様々です。
用法は普通の槍と同じで、基本的に突いて使います。 三つ叉になっているおかげで、敵の刃を受け止めることができ、 攻撃が命中した際にも深く突き刺さりすぎないという利点があります。
武器としてだけでなく、農具、漁具としてもなじみのある形状であるため、 農民などにも扱い慣れた者がいるでしょう。
海神が持つ矛としての言い伝えもあり、海に住む種族や、船上の戦士たちにも好まれています。
トライデントを扱う者でもっとも有名なものが、古代ローマの剣闘士でしょう。 レティアリウスと呼ばれた戦士たちです。
片手に投網、片手にトライデントというスタイルでコロセウムに立った戦士たちです。 彼らは敵を網で絡め取って動けなくしてから、突き刺すという戦法を用いていたようです。