The innkeeper
宿屋の主人とは、その通り、宿屋の経営者です。多くは家族や、数人程度の人員を雇って切り盛りしています。 主人の他には、おかみさんや看板娘、コック、用心棒といった人物の姿もあるでしょう。酒場と一体化したような宿であれば、バーテンなどもいるでしょうか。
宿屋の主人は普通、一般の市民ですが、元冒険者という経歴を持つ者は少なくありません。引退して、第二の人生としてはじめる商売としては最適かも知れません。 なにしろ、荒事や揉め事にも慣れていますし、過去の冒険生活で培った知識と経験を活かすことができますから。
そういうことから彼らは事情通でもありますし、宿泊客から多くの情報が入るため新しい話題にも事欠かないようです。 宿の経営のかたわら、冒険者相手の仕事の仲介を行う者がいるのも当然といえるでしょう。 仕事が無くて干上がりそうなとき、主人から聞いた話で糊口をしのいだ冒険者は少なくありません。
しかし、親切な主人ばかりとは限りません。追い剥ぎ宿というべき宿屋もありますし、そこでは客が眠っている間に荷物や財布、ときには命を奪ってしまう者もいます。 もちろん、ここまでするのは根無し草の旅人相手である場合がほとんどですが、宿泊料金をぼったくるていどのことはしょっちゅうです。
とはいえ多くは、善良で冒険者にとっても頼もしい味方となってくれる存在です。
元冒険者である宿屋の主人は腕っぷしも強く、たいていの揉め事は自慢のゲンコツで解決してしまいます。 他の宿泊客とは揉め事を起こしたりしないようにしましょう。両者まとめて外に放り出されるのがオチですから。