The Ring
ここでいう指輪とは、装飾品としてのものよりも、魔法の力を秘めたアイテムとしてのものを指します。 現実世界においても、古くから指というものは心と体とのつながりに重要な役目を持っていました。もちろん、魔術的な意味においてもです。 指輪は、そうした働きを強めるための道具だといえます。
ファンタジー世界には、数多くの魔法の指輪が登場します。気休め程度のものもありますが、わりと直接的な効果を及ぼすものが多いようです。 とはいえ、防御の魔力が込められた指輪と比べると、他者を攻撃するような指輪はあまり見かけません。
自分にかけられた魔法をはね返したり抵抗力を上げてくれるもの、死霊の類を追い払うもの、冷気や炎から身を守ってくれるものなどです。 こういったお守りのような魔力をもった指輪を一度は目にした人も多いと思います。
精霊などを封じ込めた指輪というものも物語には多く登場します。願い事を叶えてくれる魔神や、あるいは自分と契約を結んだ特定の精霊などが宿った指輪です。 なかには個人が扱うには強力すぎる存在が封じられている場合もあるので、注意が必要です。
着用者に特別な能力を与えてくれる指輪もあります。これは、着用している間だけ透明になれたり、水上を歩行できたり、動物と会話ができる、というようなものです。 誰にも危害を加えないという点から、実に扱いやすい指輪と言えるでしょう。
逆に、もっとも扱いにくい指輪としては、世界の運命を揺るがすほどの力を持った指輪が挙げられるでしょう。 強大な存在によって生み出されることが多く、なかには神々を滅ぼすほどの魔力をもった指輪も存在します。 世界を支配するだけの力をもった指輪であれば、ひとたび歴史の表舞台に立てば、指輪を巡って世界全体で大きな争いが繰り広げられることになります。 ここまでくると、呪いの指輪というべきかもしれません。
込められた魔力からもわかるように、指輪は支配的な権力の象徴でもあります。くれぐれも心狂わされることのないように扱いましょう。
多種多様な効果を持った指輪ですが、使用するにあたって共通する注意することがあります。 それは、同時に複数個の指輪をはめても、その魔力は発同時に発揮されるとは限らないという点です。互いの魔力が干渉し合うためといった理由もあるのでしょう、せいぜいが片手に一個ずつといったところが限界のようです。 しかし、中にはすべての指にはめてはじめて効果を及ぼすような、複数個セットの指輪も存在するようです。この場合、他の魔法の指輪を装着することはできなくなるでしょう。
指輪のなかには魔力が込められていなくとも重要な役割を持つものもあります。魔力の鑑定から何も得るものがなかったとしても、うっかり放り出してしまわないよう注意しましょう。指輪そのものが何らかの仕掛けを動かすため、や謎を解くための鍵として登場している場合ありますから。