トーチとは、木の棒に長時間燃え続けるように油や松ヤニなどを染みこませた布を巻き付けた道具です。 おもに迷宮などの探索行での照明として活躍します。
明かりとしては、他にもランタンや魔法によるライトの呪文などもあり、またそちらの方が経済的でより便利なようです。 使う分だけそれに応じた本数をもっていかねばならないため、荷物としてもかさばる方でしょう。
しかし、トーチは燃える炎がそのまま明かりとなっているため、それが利点となることも多くあります。 トーチそのものを使って焼くことができるからです。 通路を塞ぐ蜘蛛の巣を焼き払うことはもちろん、再生能力を持つモンスターの傷を焼くことによってその能力を封じたり、火攻めなどにも使うことができます。
ただし、迷宮に設置された罠の中には引火性のガスを吹き出す仕掛けなどもあるので、あやしい箇所には近づけない方が良いでしょう。
トーチはまた、安価で手に入りやすいという点も挙げられます。 さらに、油と布さえあればあとは棒状のもの、たとえば剣や槍などの先端に巻き付ければ即席のトーチをこしらえることもできます。 それらさえもなければ、落ちている小枝などを束ねるだけでも十分です。
火の取り扱いには十分に注意するべきですが、その活躍の範囲の広さに、今でも多くの冒険者が愛用しています。
松明は、現実世界でも使われています。オリンピック大会の聖火を運ぶためにも。
土、水、空気、を運ぶのとは違って、火は酸素と可燃物が反応し熱と光を生み出す、現象に過ぎません。 それを持ち運ぶことができるトーチというものは、魔法のようでもあります。