ウィル・オ・ウィスプまたはウィル・オ・ザ・ウィスプとは、夜の暗い森などでゆらゆらと飛び回る青白い光です。
宙に浮かぶ小さな炎のように見えますが、この光の後を追うとたいていはロクな目には遭いません。 暗がりのなかを引きずり回されたあげく、沼地や崖に誘い込まれて命を落とすことになるでしょう。
正体ははっきりとしていないようです。 妖精が光を放っているとか、死んだ人間の魂が仲間を求めて彷徨っているなどと言われています。
人を惑わす魔の火とはいえ、ウィル・オ・ウィスプを攻撃することも避けた方がいいでしょう。 実体が無く、切っても突いても、攻撃した側にはまったくの手ごたえはありません。
しかし、この鬼火は触れた者に対して電撃のような衝撃力を放つようです。 武器や防具を介して接触した場合でも、火傷や裂傷などの傷を負ってしまいます。 衝撃を放つと同時に散ってしまうものもありますが、これで倒せているのかどうかはわかりません。
ウィスプはまた、上記とは違って、自然の光に宿る精霊としても登場します。 精霊使いなどに呼び出されたときの姿は、淡い青白い光を放つ球体として現れます。
このウィスプもやはり、触れると電撃に似たエネルギーを放ちます。 前述した鬼火としてのウィスプは、この光の精霊が何らかのきっかけで凶暴化したか、精霊の世界に帰れなくなって彷徨っている、という説もあるようです。
『ソードワールド』ではこれらの特性をあわせもった光の精霊として登場しています。 ちなみに、闇の精霊シェイドをぶつけると、衝撃力を放つことなく相殺されるようです。
やや不安定ながらも扱い慣れれば、迷宮内を探索する際の照明として活用することもできるでしょう。
ウィル・オ・ウィスプの正体は、沼や地中で発生したガスに引火したものだという説もありますが、 なんにせよ、ゆらゆらと漂う明かりには注意です。 ときには、「遠くに見えるたき火の明かり」のように振る舞うこともありますから。
英語では「届かない目標。かなわぬ夢」という意味もあるようです。