クレリックとは、僧侶とも呼ばれる神官系職業のひとつです。プリーストやビショップといった神官たちとは、別の信仰に基づく神官である場合や、神官系職業の全般を指す言葉としても登場する場合がありますが、基本的には神の奇跡の代行者としての技や魔法を駆使して味方を援護する役割を持った者たちです。
彼らは攻撃の手段は少なく、相手を傷つけることを好みません。そのため、扱える魔法も怪我や病を癒やすためのものを得意としています。しかし、悪を討つための戦いに消極的なわけではなく、味方の戦士の能力を増大させる類の呪文も巧みに操ります。
クレリックの装備は魔術師たちのものと似たローブなどを纏いますが、おそらく教団のシンボルや信仰の対象を示す印が施されているでしょう。武器の扱いには長けておらず、杖や棍棒といったものを選んでいます。戦士としての訓練を積んでいれば、剣や斧、槍といった武器を装備しますが、職業の性質からあまり殺傷力の高い刃物は使いたがらないようです。
クレリックになるための方法は神学を修めて称号をもらうなどの道が確実ですが、さらに神聖魔法などと呼ばれる技も身につけなければなりません。修行によって会得することも可能ですが、神の声を聞くなどの奇跡に遇うことで才能に目覚める場合もあります。冒険の世界に身を投じるクレリックのなかにも、そうやって奇跡の代行者となった者は多くいます。
なんにせよ、クレリックにとって最も重要な資質は、他の神官たちと同様に信仰心の厚さとなるでしょう。神聖魔法の源でもあり、価値観の判断基準でもあり、なにより、彼らの生き方の指針であるからです。
ときにはそれが仲間とのトラブルのもとに発展することもあるでしょうが、幸いなことに彼らは自分の考えに固執することなく、信仰する神に伺いを立ててみるなど、冷静に一歩引くこともできます。彼らはいつだって、自分のことよりも仲間や他人のために身を尽くそうとしているのです。それが、信仰の証であり、クレリックの生き方といえるのでしょう。
だからでしょうか。クレリックが覚える魔法の高位の呪文には、自己の命と引き替えに味方全員の窮地を救う術が存在してます。
たとえ、このような究極の呪文に頼らずとも、神と他のために身を尽くす、それがクレリックの姿なのかもしれません。彼らがひとりでも仲間にいれば、きっとどんな困難な冒険のなかでも非情に心強いものとなるでしょう。