森に舞う神秘の妖精

エルフ

エルフとは、ドワーフ族と並ぶ亜人種の代表的な種族です。森の妖精族として登場することが多く、その存在はどちらかというと精霊に近いとされています。

幻想的な世界を彩る住人としてだけでなく、精霊召喚術などの魔法や弓の扱いに長けた冒険者としても活躍する機会の多い魅力溢れた存在です。

作品世界によって違いますが、彼らは人間族と比べるとやや小柄でほっそりとした体に、すらりと伸びる手足、透きとおるような白い肌をしていて、浮世離れした神秘的な美しさをたたえた容姿です。

男女ともに髪を長く伸ばしていることが多く、髭などの体毛はごく薄いか、もしくは生えていません。

外見において最も特徴的なのは、尖った耳でしょう。これは他の種族にも見られますが、エルフ族はそれがとくに目立っています。これもまた登場する世界によっても変わるのですが、おおむね他の種族よりもずっと長い耳をもっているようです。

さてその耳の尖る方向ですが、正面から見て縦方向というよりも横方向に寄る場合が多いようです。年老いたエルフでは、重力に負けて垂れ気味に描かれたりもしています。

エルフ族が人間族と大きく違っている点は、なんといってもその寿命の長さでしょう。

不死、もしくは数千年という長い時間を生きるとされています。不死の生命をもったエルフは、不死身というわけではないので、命を落とすことはありますが、基本的に寿命によって死を迎えると言うことがありません。もしかすると、寿命をもったエルフ族や人間族とは根本から違う種族なのかもしれません。

寿命が長いせいなのか、種族としての変化に乏しく、また彼ら自身もそれを嫌います。大きく変わることなく、悠久の時間を静かに生きることを良しとしているようです。

そのため、ある意味で偏屈な種族として、ドワーフ族の頑固さとはまた違う融通の利かなさも見られます。

冒険者として森を飛び出すエルフは、一族のなかでは変わり者とも言えそうです。

エルフ族は精霊との交信に長けています。とくに森の木々や風、水の精霊との交わりをとくに好むようです。

彼らは穏やかにゆっくりと流れる日々のなかで、精霊との交流を深め、魔術の研鑽を積みます。長い寿命を活かしての魔法の修行の結果、普通の人間には及ばぬ境地に達する者もいます。

弓についてですが、エルフ族には生まれたときに授かった種や苗木を育て、それから作られる弓を成人の証とする風習を持つ場合があるなど、弓との関わりの深い種族です。

動物を狩ることは少ないようですが、森を荒らす侵入者を撃退するために若いうちから弓の腕を磨きます。

彼らの領域を侵そうとすれば、容赦なく攻撃の手が加えられることでしょう。

他の種族との交流はあまり進んでとりません。オーク族やゴブリン族などは森を脅かす存在として敵対していますし、工業、鉱業によって水と風を汚すことのあるドワーフ族も嫌っています。

さらに、ドワーフに次ぐ火の文明と、ゴブリン並みの繁殖力と旺盛な生命力、神にさえ挑もうとさえする際限のない欲を持つ人間族をハッキリと毛嫌いするエルフもいます。

ダークエルフと呼ばれる者たちとも敵対していますが、こちらは関わり合いになりたくない、というよりも機会があれば討ち滅ぼしても良い、という関係に近いでしょうか。エルフとしての本分を忘れ闇の手先へと成り果てた彼らを、エルフ族は自分たちの恥部だと考えているようでもあります。

ダークエルフとの因縁は複雑なようです。

名称
エルフ(elf) アールヴ(Alf)
関連キーワード
人間, ダークエルフ, ドワーフ

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