ファンタジー世界では、並の戦士では振り回すことすらできないほどの大きさと重さと、それに見合った破壊力をもった巨大な斧が登場することもあります。グレート・アックスとは、そういった規格外の斧を指します。もともと巨人が使っていたとか、竜を撃ち殺すために巨大に造られたとか、存在そのものが特別な場合が多いようです。
全長は200cmを超えるほど大きく、刃もまた巨大なものがほとんどですが、形状は他の斧と変わりません。
素材の面からも通常の斧とそれほどの違いはないようです。全金属製のものもあれば、柄が木製のものもありますし、刃が石材という場合もあります。
グレート・アックスを扱うことができるのはやはり、怪力を誇る巨人族や、屈強なドワーフ族でしょう。ごくまれに超人的な膂力に優れた人間の戦士も用います。
この斧の威力は、相手の剣ごと甲冑を砕き、ドラゴンの鱗を剥ぎ、巨人を地に倒すほどです。……命中すれば、の話ですが。もしもその一撃が外れたとき、そこから体勢を整え直すのは容易なことではないでしょう。防御面を考えて、頑丈な甲冑を着込んでおくべきかもしれません。
見た目にゴツすぎるためか、あまり魔法の品としてのグレート・アックスというものは見かけないようです。付与魔術師たちの審美眼から外れたせいもあるかもしれませんが、これほどの武器であれば魔法の加護に頼る必要がない、と判断されたのでしょうか。