女戦士とは文字通り、戦士という職業を選んだ女性を指します。最近ではその存在も一般的となり、わざわざ「女」と付けることも少なくなっているようです。
女騎士や女剣士、女剣闘士なども含めて、女戦士と言う場合もありますが、ここでは誰の命令や強制よるものではなく己個人の意志によって戦いに赴く者を指します。
盗賊や魔法使いのような特別な技能は要求されず、日々鍛えた肉体と戦闘の腕前が最大の武器であり、それが見せ場となる点において、他の男戦士との違いはありません。
女性という点を強調するための演出として、肌もあらわな（というより下着に近いデザインの）甲冑を身につけることもありますが、基本的には男性と変わらぬ格好、装備を身につけています。
彼女たちは男性戦士と同じようにあらゆる武器の扱いに長けていますが、それでもやはり身の丈ほどの大剣や、岩をも砕く戦斧といった重厚な武器の扱いは苦手なようです。（男性戦士であってもほとんどの者は苦手としていますが……）
女戦士は、淑女や令嬢とはまた違った美しさを備えた女性として描かれることが多くあります。
顔の美醜の問題もありますが、女戦士という存在に、死と破壊の象徴でもある戦士という職業と、子を産むことのできる女性という組み合わせに神秘性を感じるからでしょう。
また一方では女性であることを隠すため、あるいは捨てるために長い髪を切ってしまう者もいます。これは戦いにおいて邪魔にならないようにするためでもありますが、同時に戦士という道を選んだ覚悟の表れともいえます。
もっとも、そういったドラマチックな展開とは無縁に、長髪の女戦士やもともと短めの髪型にしている女戦士も大勢いるでしょう。
女戦士の存在そのものは当たり前になってはいますが、それでも、酒場などで「女のくせに…」などと揶揄されることはあります。しかし、そんなときは容赦なく平手か、鉄拳が飛んでいくことになるはずです。
他の者と同様、彼女たちも様々な事情や経歴があって、戦士という道を選び歩んでいるわけです。それを侮辱することは誰にもできません。
今日もどこかで彼女たちは己の野望を胸に、武器を振るい、自ら運命を切り開いていることでしょう。