扉は巧妙に隠されていた。深い森に覆われた山の奥。急な斜面が少し落ち着いて、段差のようになっている。人の背丈の倍ほどある段差。そこに、木の根と苔に覆われた岩の壁がむき出しになっている。一見すると、このあたりだけ斜面が崩れたような地形だ。「ここに間違いなさそうだな」
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はれにわ文庫